【地方公務員のキャリアデザインの描き方】仕事がつまらない、モチベーションが低いと悩む人は必見!

若手・中堅の地方公務員が描くべきキャリア

地方公務員のあなた。
仕事がつらい、モチベーションが上がらない。この先やっていけるのか……。

仕事に慣れてきたと思ったら、そんな状態に悩んでいませんか?

悩む若手公務員

入庁時の志はどこへやら……仕事のプレッシャーや残業の多さに日々をこなすだけで精一杯。

私は福祉部門で100時間を超える残業をしていたときに、とにかく仕事が嫌になったことがあります。

休職はしなかったものの、忙しさとパワハラ気味の上司のプレッシャーに晒された結果……

面談で出した異動希望は
『ここではないどこか』

お先真っ暗、もう嫌だ、とにかく出してくれ!という感じでした……
その時期は転職を検討したタイミングとも重なります。

振り返ると、大変だった経験は知識・スキルの向上という面では貴重でした。
ただそれ以上に大きかったことがあります。

転職の検討でキャリアを見つめ直したことが、仕事の向き合い方を変える転機に

深く自己分析をしたことが、結果として自身のキャリアデザインにつながり、『目の前のことしか見えていない』状態から『俯瞰して自分の状態が見える』ように変化しました。

その結果『今は転職ではなく県庁職員としてキャリアを積もう』と前向きになれました。

アッチ

今でも転職は視野にありますが、前向きに県職員として仕事をしつつ、スキルアップに励んでいます。

サイト運営者情報

・民間から県庁に転職、10年ほど勤務。
30代半ばの現役県庁職員。
 現役地方公務員や公務員になりたい人に向けて、人生をより良く生きるための情報発信を行う。

人生100年時代に生きる私たち。
ただただ受け身で仕事をこなすのは、我慢しているだけです。それでは面白くありません。

人生を前向きに生きて、自己実現を果たすためにも、地方公務員こそキャリアデザインが必要です。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

目次

これからの地方公務員にはキャリアデザインが必須

地方公務員は数年ごとに必ず異動します。
様々な分野があり、転職並みに仕事内容が変わることもざら。
加えて個人の異動希望はほとんど通りません。

そのため公務員は、民間企業に比べてキャリアを描きにくいとされます。

仕事に対して受動的になるのは仕方がない面もありますが、キャリアデザインは可能です。

今までの異動が希望通りでない人も、経験やスキルを整理すれば、点と点が線でつながりあなたが描く未来を選択することができます!

アッチ

仕事に対して受け身になりがちな公務員こそキャリアデザインが必要だと感じます。

キャリアデザインとは何か?

キャリアデザインとはそもそも何なのでしょうか。

キャリアデザインとは、自分自身がどのような価値や強みを持っているのかを見つめ直して、希望する未来のビジョンを描き、その方向に進むための計画を作成すること。

これまでの公務員は新卒入庁の終身雇用が前提で、働き方や幸せに対する価値観の幅が狭く、キャリアを能動的に考える必要がありませんでした。

近年は入庁者の半分が社会人経験者である一方、転職して出る人も多く、また個人の価値観の多様化により、同じ職場でもどのような生き方やライフスタイルを選択するのか人それぞれ。

今後はより雇用の流動性が高まり、公務員も転職による出入りは加速するとされています。

アッチ

実際に静岡県では、一定職務経験がある人なら民間転職後に改めて県を受け直しできる制度をR5年から始めています。

経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

そのため、各職員が将来どのようになりたいのかを自分で考え、自己実現や成長のためにキャリアデザインしなければなりません。

キャリアデザインのポイント
公務員のまま定年を迎えることを否定しませんが、組織の外にも目を向け、幅広い視野を持つことができれば、今の組織に対する見え方が良くも悪くも変わってくると思います。
悩む若手公務員

とは言え公務員の雇用において出入りが増えるのは言い過ぎじゃないのかな……

アッチ

そんなことありません。
実際に辞める人は増えてるし、静岡県や長野県などの出戻りを認める自治体も増えていますよ。

公務員の仕事がつらい、モチベーションがわかない人にはキャリアデザインが有効

日本は「やる気にあふれる(エンゲージメントが高い)社員」の割合が、世界において最低水準とされています。

日本の従業員のエンゲージメントは世界最低の水準
経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

私の肌感覚では公務員のやる気(エンゲージメント)はもう少し高いですが、日本では公務員のみならず民間でも未だに終身雇用が一般的で、受け身になりがちなため、この結果は妥当だと思います。

仕事に追われ日常の業務をこなすだけになってしまうと、モチベーションは著しく低下します。そうなった経験がある人も多いのではないでしょうか?

様々な職種の中でも終身雇用代表の公務員は、特にモチベーションの維持が難しい

そのため、自己実現に向けて有効な手段であるキャリアデザインは、仕事へのモチベーションが低い人にこそ必要です。

例えば一見つまらない予算や補助金業務も、公務員のキャリアにおいては他でも使えるポータブルスキル(持ち運びができるスキル)になります。

キャリアデザインという観点から、自分の業務を広く俯瞰して見ることができれば、『組織内で汎用性があるスキルを学べている』という見方に変化するかもしれません。

アッチ

中にはパワハラ気味の上司の下でつらい人もいますよね。公務員には必ず異動があります。「ここを乗り越えたらどこに異動してもこれ以上はない。」という見方ができるかもしれません。

ただしメンタルを病むくらいなら、心身の健康を優先して休むことをためらわないでくださいね。

仕事が辛い、辞めたいと感じる若手・中堅職員の方はこちらの記事もご覧ください。

これからの地方公務員が真の安定を得るために必要な3つの武器

今は公務員もキャリアを能動的につくっていく時代

なぜなら人生100年時代を生きるにあたって、受け身で公務員の仕事をこなすだけでは、我慢して仕事を続けるだけになってしまうからです。

そんな状態は安定ではなく、終身雇用という制度に飼われているだけではないでしょうか。

決して公務員を辞めることをおすすめしてるわけではありませんが、楽しく仕事をして、前向きに生きるために、究極的には辞められる人材になることを目指すべきだと考えます。

それが逆に、公務員の仕事を前向きに取り組むことにもつながります。

辞められる人材になることこそが真の安定と言え、そのためには3つの武器を持つことが必要です。

真の安定のために必要な3つの武器
・ビジネススキル
汎用性のあるスキルを磨くことで、組織内だけでなく、民間などどこでも活躍することができます。
・リスキリング力
人生100年時代においては、新しいことを学び続けることが大事です。いざとなったら個人でも稼げるスキルを獲得できることにもつながります。
・マネー力
年金や退職金に頼らないお金の知識。特にこれから投資を始める人は新NISAという神制度ができたので、非常に幸運だと思います。

マネー力については、ぜひこちらの記事もご覧ください。

アッチ

最近トレンドになりつつある資産形成について、私の4年の実績も交えてわかりやすく説明していますよ。

キャリアデザインにあたって重要な知識・スキルの整理方法について

ここではキャリアデザインに重要な自身の知識・スキルを整理する方法をご紹介します。

キャリアデザインには自己分析が欠かせません。知識やスキルのたな卸し(見直し)によって、あなたの強みや弱みを整理します。

整理する方法はいくつかあり、代表的なものを2つ説明します。

代表的なモデル
カッツモデル
will・can・must

職階別に求めらる能力・スキル(カッツモデル)

カッツモデルとは、職階別に必要とされる知識やスキルを図に表したものです。
アメリカの経営学者「ロバート・L・カッツ氏」により提唱されたため、カッツモデルと言われます。
民間企業をはじめ行政など様々な組織において、人材育成のフレームワークとして活用されています。

職階の層ごとに必要なスキルが可視化されるため、自身のスキル向上における1つの指標にすることができます。

テクニカルスキル(業務遂行能力)
業務を行うための細かい業務遂行能力です。
担当業務に関する専門の知識やスキル、ワード・エクセル・パワポなどのパソコンスキル、会計手続きの知識などが挙げられます。
ヒューマンスキル(対人関係能力)
組織の中で上下左右の職階の人と仕事を進めるために円滑な関係構築を行う能力です。
コミュニケーション力、リーダーシップ、フォロワーシップ、コーチングスキルなどが挙げられます。
コンセプチュアルスキル(概念化能力)
物事の本質を理解して判断を行うための能力であり、具体的なスキルというよりは概念的な項目が挙げられます。
論理的思考、デザイン思考、アート思考、水平思考、俯瞰力、多角的視野、柔軟性、探求心、知的好奇心、応用力など。

カッツモデルによって、今後どのような知識やスキルを獲得すべきなのかが見えてくるのではないでしょうか

will、can、mustの考え方

やりたいこと、できること、やらなければいけないことの3つを、will、can、mustとして区分します。
自己分析を行うためのフレームワークであり、人材育成や転職時の自己分析に有効とされています。

それぞれが重なるポイントは、あなたにとって重要な項目になります。

will(やりたいこと)
自身が理想とする将来の姿です。単に自分が今所属する部署ではなく、中長期的に仕事で何を大切にして何を実現させたいのか。理想の働き方、暮らし方、生き方はどんなスタイルなのか。
can(できること)
いわゆる自分の『強み』です。あまり思い浮かばないという人は、カッツモデルの3つのスキル「テクニカル・ヒューマン・コンセプチュアル」の項目から選んでみましょう。
選び方がわからない場合は、客観的な視点で自分が経験した仕事で得られるスキルを反映させます。経験した仕事とスキルを紐づけることで、転職活動時にも使えます。
must(やらなければいけないこと)
所属する組織から求められることです。やりたいこと・できることがあるからと言って、仕事としてやるべきことをおろそかにしてやりたいことばかりしていては、ただのお荷物職員です。
また、will(やりたいこと)に対してcan(できること)に不足していることがあれば、それを埋めるためにすべきことがmust(やるべきこと)という整理もできます。

これらを区分してやりたいことを明確にできれば、そのために必要なスキル、不足している知識や経験などを見える化できます。

地方公務員のキャリアデザインの描き方

ここではキャリアデザインをどのような手順で描くのか説明します。

キャリアデザインは大きく4つのポイントに分けられます。

「自己分析」、「目標キャリアの設定」、「キャリアプランの作成、「行動計画を立てる」

さらに、地方公務員のキャリアに有効な具体的な業務経験・スキルをご紹介します。

キャリアデザインを描く手順

キャリアデザインの手順について4つのステップで説明します。

STEP
自己分析

自分自身を見つめ直し、興味・関心、強み・弱み、価値観などを整理し、自己理解を深めます。

STEP
目標キャリアを設定する

自己分析の次に、将来の自分がどのような分野や役職につきたいかを明確にするキャリア目標を設定します。
公務員の人事の希望は通りにくいため、異動希望の分野については、「好き」とか「興味がある」ではなく、希望する理由や組織側のメリットなども含めてください。

※目標設定は「SMARTの原則」のフレームワークで考えるのがおすすめです。
Specific(具体的)、Measurable(定量的)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)

目標設定の内容を具体化し、目標に向けた進捗は定量的に測れるようにし、実現可能な内容として期限を設定します。さらによりよい目標にするには組織や個人が目指す方向と関係性・親和性があるとモチベーションを維持しやすくなります。

STEP
キャリアプランの作成

キャリアの目標が決まったら、次は具体的なキャリアプランを作成します。
キャリアプランとは、目標に向かってどのようなキャリアを歩んでいくかを計画することです。
キャリアプランを作成する際には、目標キャリアに向けて必要なスキルや知識、経験を洗い出し、それをどのように獲得するかを具体的に考える必要があります。

STEP
行動計画を立てる

最後に行動計画です。行動計画とは、具体的な期限を設定して、キャリアプランを達成するためのアクションプランを作成することです。目標を達成するためのステップを明確にし、自分自身を追い込むことができます。

例えば法規に強い職員になりたい場合は、例えば年間計画で法務検定をいつ受験するかを決めて、それに向けて自身の業務の繁忙期と照らし合わせて何をいつ勉強するか計画します。加えて、法規に強くなる前提で中長期的に異動部署や担当する業務内容(法規関係であれば条例の制定や改正など)に従事するのかを決めます。

キャリアデザインを描くことができたら、もうあとは実行するだけ……ではなく、柔軟な姿勢で見直しや修正を随時行うことが大事です。
自分で計画を立てるものの、その通りに行く可能性は低く適宜追記修正を行います。

さらに公務員という組織だけでなく、外にも目を向けることは重要だと思います。
私は必ずしも転職をおすすめするわけではありませんが、転職活動はおすすめしています

私自身、転職を検討した結果、公務員を選択しています。転職しないまでも転職活動を行うことで自分の立ち位置が見え、公務員の仕事を前向きに行うことにつながりました。

【現役職員が本音で語る】『異動がつらい』そんなあなたに!公務員のキャリアに有利な業務経験・スキル4選+α

公務員の異動は転職並みに仕事内容が変わるため、『異動がつらい』という声を多く聞きます。

アッチ

特に若手からの声が多く、人材育成を所管する部署の課題です。

例えば『先週まで窓口で税金徴収をやっていた人が、部署が変わったとたんに観光のイベントを運営する』なんてことも珍しくありません。

私も経験がありますが、異動によってこれまでの経験を全てリセットすると考えてしまうとさすがに大変です。

もちろん該当の部署でしか通用しない専門知識はありますが、異動しても通用する知識やスキル(ポータブルスキル)もあります。

異動しても通用する『ポータブルスキル』を磨く意識が大事

日々の仕事においてポータブルスキルを磨く意識が持てると、仕事の向き合い方や考え方が変わり、地味な業務でも前向きに取り組むことができます。

ここでは、異動しても他部署で通用する知識やスキルについて、現役の県庁職員が実体験を踏まえて紹介します。

他にも色々ありますが、中でも即効性や汎用性が大きい4つを取り上げています。

公務員のキャリアに有効なポータブルスキル
①段取り力
②文書作成
③予算の知識
④補助金業務の知識
『+α』
・デジタル関係の知識

①段取り力

段取り力とは、タスクを実行するための手順や時間配分、優先順位を考慮して計画を立て、効率的に進めるスキルです。

若手の方であれば、公務員の仕事が多くの仕事を同時並行してこなさなければいけないことに驚いている人もいるかもしれません。

うまく業務を進めるためにはタスクを整理してきちんと管理することが問われます。

またマネジメント職になれば、メンバーのスケジュール管理、業務配分、優先順位を決めることになるため、地方公務員にとって段取り力は欠かせません。

アッチ

初めての業務でも混乱なく進めている人は、決まって段取り力が高い人です。

②文書作成能力

公務員にとって切っても切れない関係にあるのが「文書作成」です。

業務を進める際に「何を・いつ・なぜ・どうやって・どれくらいのコストで」などを庁内や住民に向けて文書で説明する必要があります。

また公務員の仕事は複数年続くため、過去に作成した文書が根拠になるなど、作成した書類が何年も影響することはよくあります。

そのためわかりやすく正確な書類作成はマストな技術。

アッチ

特に若い人は報告書類などにおいて、学生時代に培った情緒的な文章にならないよう注意しましょう。

③予算の知識

地方公共団体は多くの事業を行いますが、全てにおいて予算が必要になります。そのため予算がどう扱われて仕事が行われているのかを知ることは極めて重要です。

具体的には、地方公共団体の予算は国(県)からの交付金や補助金、地方税などから構成されています。そのため、それぞれの財源に関する知識が必要です。例えば、国からの交付金の中には、特定の事業に限定して使うことができるものや、使い道に制限のあるものもあります。事業を考える際には財源ごとの性質を理解することが必要です。

アッチ

予算の知識は職階が上がるほど実務で勉強する機会が少なくなるので、若いうちに経験しておくことをおすすめします。

④補助金業務の知識

地方公務員にとって、補助金業務に関する知識は予算に並んで非常に重要です。

特に財源の観点から見ても、地方公共団体の財源内訳国からの国庫支出金(補助金など)の割合は全体の25~30%程度であり、自治体の財政を支える重要な財源の一つとなっていることがわかります。
(参照:総務省「令和5年度版地方財政白書」

国からの補助金は、地方の財政事情やニーズに応じて多種多様な目的で交付されており、主な交付先は社会保障や教育、福祉、災害対策など。

地方自治体の多くの基幹事業が国の補助を前提としているため、補助金の知識は必要不可欠。

補助金の申請・受給、使途の計画・決定、支出管理など、細かくて複雑な補助金の業務知識・スキルは様々な部署で汎用性があるため、公務員のキャリアにおいて大きな武器になります。

ちなみにこれら4つは、先に紹介したカッツモデルの中では「テクニカルスキル(業務遂行能力)」に区分される項目になります。

『+α』デジタルの知識

+αということで、デジタルの知識をあげました。

今や国を挙げてデジタル人材が重要とされており、人材育成の大きなテーマになっています。

ここでは細かく説明しませんが、デジタルの知識がキャリアに必要な理由を、積極的・消極的なそれぞれの理由について簡単に説明します

積極的な理由
・デジタルの知識を持つ人材は、官民問わず経営戦略や人材獲得において非常に重要。
・今の世の中は(デジタル)システムがないと業務が回らない。行政においては幹部職員含めてキャリアとして知識や素養が必要。
※総務省Webセミナー「自治体におけるデジタル人材確保・育成に向けた総務省の取組」より一部抜粋

つまり現在デジタル人材の需要は非常に高く、またキャリア上も必要な知識やスキルになることが想定されるため、今勉強すれば希少性の高い人材になれることがわかります。

消極的な理由
デジタルネイティブとされる世代が入庁してくる時代が迫っています。
つまり、最低限の知識をつけないと時代に取り残されてしまうのです
アッチ

庁内に「ワード・エクセル・パワポ」が全然使えない人いますよね?若い人に同じ目で見られてしまう可能性があります……。

とはいえ、この記事にたどり着いたあなたは情報感度がとても高い方です。ぜひ積極的にデジタルの知識習得を目指しましょう。

アッチ

お忙しい中、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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