- 若手公務員におすすめの業務を知りたい。
- 公務員のキャリアやステップアップに役立つ経験・業務を知りたい。
- 予算や議会関連の担当になり嫌だなぁと感じている。
若手の地方公務員だけど、何の業務が今後の経験に役立つのかわからない。
キャリアに役立つ業務をしたい。
会計業務とか細かい業務ばかりやってると、今後の役に立つのか……やってて不安になる。
そんな悩みを抱える若手職員は多いです。
そこでこの記事では、若手公務員の皆さんに向けて、若手のうちに経験しておくべき業務3選を紹介します。
- 財務会計
- 予算管理
- 議会対応
この記事を読めば、「若手公務員にとってキャリアやステップアップに役立つ業務」を知ることができます。
私の10年以上のキャリアの中で培った公務員のキャリアを重ねるノウハウや経験を凝縮しました。公務員として仕事ができる職員になりたい人は最後まで読んでください。
今は仕事が辛い人も、ここで紹介する業務に真摯に向き合えば、視界が開けてスムーズに仕事が進むようになる瞬間がやってきますよ。
若手のうちに公務員の基礎力を固めると後から仕事が楽になる
若いうち、特に20代から公務員として基礎力を高められると、30代になって急に仕事が楽にこなせるようになります。
次の3つの業務は特に公務員として仕事を行うための基礎になるのでおすすめです。
- 財務会計
- 予算管理
- 議会対応
なぜこれらの業務がおすすめなのかというと、自治体がどのように動いているのかを知れるからです。
3つの項目はどれも視点や視野の広さが異なります。財務会計はミクロな視点、議会対応はより広いマクロな視点で行政運営を知ることができます。
木を見て森を見てという言葉があるように、『木が財務会計で森が予算管理、さらにもっと広い範囲を示す地図が議会対応』といったところでしょうか。
財務会計に関する業務
この仕事やっていて最も将来が不安になる仕事だと感じます。
気持ちはわかります。確かにずっとやる仕事ではないですが、非常に応用が利く仕事でもあります。なので若いうちに率先して経験しましょう。
財務会計を知らずに昇進する人もいますが、そういう人はだいたい後になって困っています。
財務会計業務の概要
行政の仕事は様々ですが、何かしら予算を執行する場面は避けて通れません。予算を執行するといっても、モノを買ったり委託したりと様々あります。
民間や個人とは異なるため、何かを買うとしても自由にできません。
そこで重要になるのが財務会計の知識。
基本的には入札をして契約をして検査をしてからお金を支出する。
基本の流れはこのとおりですが、金額や内容によって手続きは全くことなります。
例えば数千円の物品なら個人のようにある程度自由に購入できますが、一定の額を超えると入札など手続きが必要です。
さらに委託や使用料など種類によってもやり方が異なるだけでなく、予算の組み方も変わってきます。
財務会計業務の必要性
業務によっては会計処理の仕方を知らずに職階が上がる人も少なくありません。
ですが、会計の知識を知らずに後輩や部下を持つと苦労することになります。
物を買ったり、委託の手続きを行うことはよくありますが、後輩や部下から聞かれたり相談されたりしたときに「知らない」とはなかなか言えません。
また、のちのち自分で事業を持ちたい人も多いですが、その際にも会計の知識は欠かせません。
事業構築に合わせて予算を検討する際、自分がやりたいことについて何の予算をどう組まなければいけないのか、会計の知識が役立ちます。
そのためできるだけ若い年次のうちに会計の知識を得ることをおすすめします。
自分が考える事業に必要な予算は謝礼なのか委託料なのか、他にも使用料や食料費など様々な予算があります。何をどう扱うべきか、会計の知識はとても重要です。
予算管理に関する業務
先に説明した会計の知識があれば具体的な支出手続きには困りません。
ですがそれら財務会計の知識だけでは行政運営は務まりません。
行政運営に必須の予算の知識。おすすめは所属の予算管理を担当することです。
組織として様々な政策を行うためには、事業のスキームを考えるのに併せて予算をセットに考える必要があります。
そのためまずは予算の仕組みを理解しましょう。
予算管理の概要
予算で重要なのは『歳出と歳入』
財務会計の知識があれば、歳出の種類を理解することができます。
謝礼、委託料、使用料、需用費、補助金、負担金など。
これらは予算における歳出ですが、予算を措置するには財源となる歳入も考えなければなりません。
財源は税金でしょ?財政や会計の部署で考えることじゃないの?
それすごく怒られます。歳出と歳入、セットで考えるのが仕事です。
- 財源の種類
- 一般財源
国庫支出金
収入(寄付や手数料など)
予算管理業務の必要性
会計の知識があれば事業構築にあたり必要な予算がわかります。
さらに、予算管理の知識があれば、予算編成の流れを把握することができ、財政や会計の部署との折衝の仕方も知ることができます。
- 歳出科目の一例
- 謝礼、委託料、使用料、需用費、補助金、負担金など
- 歳入(財源)の一例
- 一般財源
国庫支出金
収入(寄付や手数料など)
歳出予算も様々な種類がありますが、特に歳入は色々あり、奥が深いです。
歳入はシンプルに見えるけど……
表(予算書など)には出ない項目もあります。例えば普通交付税や特別交付税の違いや、他にも大きな事業を進める際に発行する地方債(借金)など。
これらの知識は年次が上がると「当然知ってるよね?」という目で見られるものの、丁寧に教えてもらえることはありません。
嫌がる人が多い予算担当。ぜひトライしてみてはどうでしょうか。
議会に関する業務
はじめに言ってた「木が財務会計で森が予算管理、さらにもっと広い範囲を示す地図が議会」ていうのはどういうこと?
行政運営をより理解するためには議会に関する知識が欠かせません。そのため議会の流れや関連する業務に携わることはとても重要です。
こちらをご覧ください。
行政と議会の関係を図にしました。
図にあるように、執行機関である行政が、議会の議決を経て様々な取組を進めます。
議員は選挙で選ばれるため、議員の発言には住民の総意という意味合いがあります。
住民の声を県行政に反映するため議員は活動しています。
議会に関する業務経験の必要性
福岡県の議会紹介でこのように説明されていました。
議会には、条例の制定・改廃、予算及び決算の審議、教育委員などの人事の同意、住民からの請願や陳情の処理など、地方公共団体としての重要な意思決定をし、行政の方向づけをするという大きな役割があります。
福岡県HP
行政運営において議会に関する知識は必要不可欠です。
若いうちはあまり議会に関わることが少ないと思いますが、職責が上がって急にできるものではありません。
そのため早い時期から議会を意識できると自分のためにもなります。
議会の流れを把握しましょう
自治体の多くが通年議会を採用しています。
そのため何か事案があれば随時、議会が開催されます。
また定例的に議会を予定している自治体も多いです。
自治体ごとによるものの、一例を以下に挙げます。
また議会では予算の補正を審議することが多いので、主な内容も記載しています。
- 定例会議(議会)の一例
- ・6月議会
(年度途中で行う補正予算の決議)
・9月議会
(年度途中で行う補正予算の決議)
・11月議会
(主に国の補正に合わせた補正予算の決議)
・2月議会
(年度末に行う補正予算及び次年度の当初予算の決議)
それぞれのタイミングによって案件の性質も異なります。
例えば、6、9月の時期は補正予算としては少しイレギュラー。
そこで議会に諮る案件については、内容を踏まえて6、9月の議会に諮るのか、あるいは2月議会で諮るのか、といったことを検討します。
議会案件は外部に出す内容なため、少しのミスが大きな問題になる場合もあるので、情報をどのように出すかは気を付けなければいけません。
議会に関する具体的な業務
議員の折衝などはマネジメント層の職員が行うケースが多いです。
そのため直接議員と折衝する業務はできないと思うので、間接的に議会に関わることができる条例の制定や大きな予算を伴う事業を担当することをおすすめします。